Garden of Nature Piece: Liner notes

Garden of Nature Piece

このアルバムについて


nil-Glassの5thミニアルバムになります。いつもの説明をするとnil-Glassは空華オキさんがボーカルとバイオリン、自分が作曲その他もろもろを担当してるロック、ポップユニット(ゆるふわ概念)になります。ちなみにSounds Cocktailは自分がイベントに出展するときのサークル的な位置づけです。最近nil-Glassとでしか頒布物は作ってないですが...

今作は植物をテーマにしよう、といったところから始まり、最終的には庭園をモチーフにしたアルバムになっております。 なお、今回の略称シリーズは「Ga」rden of Na「ture Pi」eceあたりをとって...食べちゃうぞ...

今回も素敵なゲストの方々とご一緒させていただいてます!
久遠真雪さんには今回もご参加いただいて、Tr.5,6で幻想的な歌詞とあたたかな空気感に満ちた歌詞を頂いてます!
悠貴さんにはTr.3でダークで仕込みもある歌詞を頂いてます!
ShukaさんにはゲストボーカルとしてTr.5でダブルボーカルでご参加いただいてます。
糸織貝さんには色鮮やかなジャケットと各曲をイメージしたワンポイントイラストを描いていただいてます。オキさんのジャケットデザインと合わせてブックレットの方もお楽しみください!

空華オキさんの「Garden of Nature Piece」&M3参加作品紹介ページ
https://karahanaoki.com/2023m3_autumn/
オキさんライナーノーツ:https://karahanaoki.com/garden_of_NP_ln/
久遠真雪さんによる2023年秋M3参加情報(「Garden of Nature Piece」をご紹介いただいています):
https://mayuki-k.fanbox.cc/posts/6877766

それでは以下ライナーノーツをお楽しみください!!(注:たまにでてくる「あざらし」とは自分のことです。Twitterのアイコンはネコなのにあざらしに見えるらしく...)

1. 深潭への誘い手

今期の一曲目は森に迷い込むような世界観をイメージした三拍子ベースの楽曲になります。こちらは民族調ボカロ投稿祭に合わせて 京町セイカさん版で先行公開をしております。ジャンル的には民族調ロックでしょうか。こちらと聴き比べてみるのも面白いかもしれません。

この曲、モチーフは「樹海」で、アルバムの導入としても迷い込ませるような役割を持っています。 この曲と二曲目の作詞を担当していますが、ストーリーは怪しげなお姉さんが何やら物騒な歌を歌っていて、それに惹きこまれた少女が森の奥に向かって、お姉さんに出会って、さらに森の奥に二人で向かっていく、といった感じです。お姉さんが影で少女が光で、お互いが表裏一体で何となく意気投合しつつも、お互いに自分の側に引き入れようとする感じもあり... 曲のタイトルには「深淵」は使いたくないけど「深淵」と同じような意味のワードを入れたかった結果、オキさんが「深潭」という単語を持ってきてくれました。糸織貝さんのワンポイント案内人お姉さんもまさに妖しげな案内人!といった雰囲気ですので、ブックレットやクロスフェード等でお楽しみいただけたらと思います!

樹海だと何となくアコースティックな感じもあり、リズムがタムベースで刻むような印象もあり...完全に個人の印象ですが、それに沿ってアレンジを組み立てています。 編曲で特に仕掛けた部分はBメロの9/8拍子と間奏のバイオリン、ギターのツインかなと。間奏は前半はどちらかというと好き勝手にお互い弾いてて、後半はかけあったりハモったりする組み立てです。オキさんのバイオリンソロがまた良いのですが、特に間奏後半の半音で下降するバイオリンのフレーズがとても滑らかで一押しです! ほんのりですが間奏でも拍子変わったりするので一応本作の変拍子枠ですね。 間奏前半のバイオリンフレーズはリズム隊に合わせて3-3-2拍で書いてたはずなのですが、、、「あれ?拍が足りない...でもこっちの方がカッコいいからいっか~~~~!!」(By 拍の数えられないあざらし)。

歌唱はハモリのほか、ヴォカリーゼを入れてコーラス隊を盛っていったのですが、オキさんがばっちり意図を組んでくれて、何というかこう「ヤバい」感じ、聴いたらいけない感じのヴォカリーゼを持ってきていただき、より深い深い森に迷わせるような空気感が醸成されているかと思います。とにかく深淵に誘うような空気感を堪能していただけたら...!!

2. Road of Thorns

二曲目「Road of Thorns」はハードロック寄りの楽曲です。 この曲はSounds Cocktailでもともと既出であった5年前位の曲をnil-Glassで再録、カバーした形になります。一応自分で歌っていたバージョンとキーを同じにはしているのですが、まあちょっとオキさんにはキーが低くて物足りないだろう、ということでコーラスを上ハモで追加しています。Aメロは低くて大変だったそう...。アレンジはコーラスを追加した以外は原版と変わりないです。原版は電子の海のどこかで揺蕩ってるので気になる方は探してみてください...(ここにリンクをのせるのは羞恥心が許さなかった模様)

既出曲のカバーということで、今期で一番初めに手を付けた曲になります。棘からきて植物、庭園モチーフに決まった感じです。
この曲はライブで弾いて楽しくなりそうなフレーズで書いてるので、本作では一番バンドサウンドが出ている曲になるかと思います。個人的推しポイントは間奏のフレーズと一番終わりのブレイクですね。その他でも色々自分ではスタイリッシュに出来た感じがあって機会があれば再度形を変えて出せるといいかも、と思っていたので今回再録できてよかったな...と。

歌詞は「なんか世界が追い立ててくるし救いもろくにないけれど、二人で抗うんだ!」みたいな感じです。歌詞も当時のままですが改めてみると救いないですね。ワンポイントイラストでは棘の道が果てのない闇を湛えていて、でも仄かにランタンが道を照らす表現が、まさに歌詞の空気感といった感じになっています!

ばっちりギターを重ねたのもあって、MIXでは楽器隊とボーカルバランスのせめぎあいもありましたが(笑)、オキさんの重たさの中に切なさを潜ませるような歌唱もとてもとても良いのでそのあたりもぜひお楽しみいただけたら!

3. any madness end

三曲目はゴシック系の曲になります。6曲の中ではタイトルにも歌詞にも直接書かれていないので一番モチーフがわかりにくいのでは、と思うのですが、ワンポイントイラストに描かれているアネモネがモチーフになります。モチーフがアネモネになった経緯は、ゴシックっぽい曲がやりたい→庭園と絡めるならバラモチーフがゴシックっぽい...?でもバラだとちょっとありきたりだし上の茨とちょっと被るし...?→ゴシック感のある別の花...アネモネとか?という流れです。

さて、アネモネモチーフが大体決まったあたりで、悠貴さんに詞先で歌詞をお願いしました。お願いして2,3日したらもうフル尺の歌詞が仕掛け付きで出来てましたね...どうして身の回りの作詞家さんたちは時空を軽率に曲げながら素敵な歌詞を生成していくのか...

頂いた歌詞はとてもいい感じにダークで狂気感も含んでてnil-Glassが大好物の空気感でした。ここであざらしは見事に歌詞の仕掛けを読み違える失態を犯したりもしましたが、作編曲のターンでは割と今回脳内にあったゴシック感を出せたかと思います。(Bメロに出てくるメロディ跳躍は難しいだろうなあと思いながら入れた確信犯です)。そして悠貴さんからは「絶妙なメンヘラ感」というご感想を頂き、メンヘラオキさんというワードもこの時生まれました。

オキさんには速弾きフレーズ付きのバイオリンソロと、メンヘラ感リクエストの歌唱と、自分のも諸々のギターフレーズとベースとアウトロのソロとなんか普通に難しかった気もしますが、ワンポイントも合わせて狂気のダークメンヘラ感(笑)を感じていただけたらこれ幸いです!

さて、直訳すると「任意の狂気の結末」となるこの曲のタイトルは自分が考えてます。 もともと曲のシンボルがアネモネということでそのままanemoneにしようかなどとも考えていたのですが、そのタイトルの曲は世の中にたくさん存在するのもあって、できればちょっとひねったタイトルにでもしようかということで、アナグラムとかを試してみてました。で、結局アネモネをちょっともじるフレーズを考えているうちに、エニマネ(any madness)になりました。直訳は「任意の狂気の結末」ですが、ニュアンス的には「どんなに狂った結末でも」で、この後にアネモネの花言葉でもある、歌詞中に隠されたメッセージに繋がり、「anemone end」になるとそんな感じです。
(なお、どこぞのあざらしは「明日君を抱いた...??」などとのたまっていた)

4. 花に、生きる

この曲は「さくら」モチーフということで、和ロックに仕上げた曲になります。さくら曲があれば毎回春が来るたびに言及できるね!という不純な?動機で制作を決めた曲でもあります。シーズンソングとしてはクリスマス(ただし終末世界)ソングの「holy white.」(Judgment moon & Gimcrack sun収録)に続く曲になるかな...と。

和の曲ということ何ですが、最初は「しばらくシャッフル系の曲をやってなかったし、ハネリズム×和でやってみるか」と思ったのですが、あんまり和らしくならなかったので、結局おとなしく四つ打ち気味のリズムでペンタさせてました。いつものギターベース系統は普通に和ロックっぽくなるようにはしましたが、フレーズはややシンプルにして、尺八や琴、太鼓、鈴の音源などを加えています。(鈴の透明感がよい...)サビ裏で鳴ってるバイオリンもオキさんにお願いして、前作の双花祈譚の間奏と同じく雅な鳴りを添えていただいてます! 間奏のギターフレーズはまだ作曲をしている段階でオキさんが参考になればと持ってきたフレーズを元にしてたりしてます。

さて、この曲の一番の仕掛けはサビ歌詞の構成を5-7-5-7-7と短歌調に合わせた部分になるかなと思います。なんとなくサビを切り出したら短歌っぽくなるようにお願いします、オキさんが作詞のターンに難しい要求をしてしまいましたが、オキさんが和風情緒たっぷりの雅な歌詞を書いてくださいました。ところでよく見るとなんか落ちサビ...なんか文字数が多い...??(数の数えられないあざらしagain)(オキさんに作詞用譜面を渡す時に素で間違えましたが字余りということで...)

糸織貝さんのワンポイントも川の流れに見立てた桜の枝や灯篭がオキさんの歌詞の世界を一層際立たせています(そして遊び心で入れていただいた猫さん...!!!) オキさんの歌唱も和の雰囲気をまとっていて、とても上品に仕上がっているので、そのあたりも含めてゆっくりと時が流れていくような、それでいて刹那で儚げな空気感を頂けたらと思います!

5. 愛しい君の名前と

今作のコラボ枠で、テーマは「幻想植物」です。 NEOKET4にてShukaさんとブースが近かったのもあり、オキさん真雪さんShukaさんとの雑談の中で「今度何かコラボやりましょうか!」という流れになり、 一方でアルバムのテーマが決まりモチーフがぼちぼちでてきたあたりで幻想植物テーマの曲でお二人をお招きして制作しようか、ということで、本テーマをコラボにあてることになりました。

制作はちょっとリレー形式にしましょうか、ということでまず真雪さんからワンコーラス詞先で頂き、ワンコーラス作編曲し、間奏前までの詞を頂き、おおまか全体の作編曲をし、落ちサビ、大サビと造語歌詞を頂いて、残りの編曲を終わらせて...とだいたい3フェーズくらいでほぼほぼ曲の形ができました。2サビ後のヴォカリーゼ部分はオキさんの「Shukaさんのヴォカリーゼが聴きたい」というリクエストでセクションを追加してました。ヴォカリーゼとアウトロ部分のコーラスのアレンジはShukaさんに改めてお願いしていますが、ラストの「ラララ...」の表現と、ヴォカリーゼの表現とがほんとに素敵なんですよね...

さて、曲は民族調を意識しながら書いています。伴奏ではサステインを聴かせたピアノでアコースティック系の音を交えつつ、星空の下の済んだ空気感を出せるように意図しました。Shukaさんの歌唱はイメージとしては儀式や神事によくマッチするような意味での、ある種の神性みたいなものを持ってる印象だったので、幻想的な曲調を存分に引き立てて頂けたのではないかなと思います。

造語部分はShukaさんオキさん(とアコギにつぶされている謎の生物イーサラーザ)が何となく星空の下でたき火を囲んで弾き語ってるイメージでした(笑)こちらもコーラスの本数を多くいただけたこともあり、またお二人の掛け合いやハーモニーが抜群に良く、心地よい表現になったのではないかなと思います!

さて、テーマの「幻想植物」に戻ると、言葉を覚えながら語らうことのできる植物の歌詞を真雪さんに書いていただきました。「テーマは幻想植物でお願いします」としかお伝えできてないのに世界を広げていただいてありがたい限り...姿を想像すると何となく妖精に近いのかな、ということで、バックのイラストに描かれている像は幻想植物モチーフだったりします。勝手な想像ですが何となく葉っぱっぽい羽や服を着てて蔦を携えてて白い幹は光の柱かな...などと思ったり。ワンポイントでは月の根元で蔦を伸ばし咲く花の姿が幻想的に描かれています!

なお、3rd: あざらしねこ、4th イーサラーザに続く今作の謎の生き物枠(多分)。ちなみにコラボ打診前の初期案には架空の植物として「マンドラゴラ」というものもあり...絶対スクリームが入るね...等とnil-Glass内で話していました。メタルか民族調かの分かれ目はここで決まったのであった...

(おまけ)これは自分の名前を幻想植物ちゃん(妖精の姿)に教え込もうとするいーさらーざ。

6. 季節の舞うこの庭で

アルバムのトリを飾るのは爽やかで疾走感のある「庭」モチーフの曲です。この曲も真雪さんに「庭モチーフで歌詞をお願いします」と作詞を依頼し、詞先で制作を開始しました。もともと頭の中ではさわやかで疾走感があって、生バイオリンの艶やかな響きもあって、とイメージが固まっていたのもあり、柔らかな歌詞にピースがはまるかのようにすんなりと曲ができてきました。「風誘うテラスへ向かって」とか「あたたかな水の音」の歌詞と音形の合い方が個人的には好みです

オキさんのバイオリンも混ぜてみたらこれ!という感じでぴったりはまってくれて、ボーカルも合わせてみるとあたたかで包み込むような感じが前面に出てくれて("季節の女神様"とは真雪さんの評)、一番Mixがすんなり進んだのもこの曲ですね。

ワンポイントイラストは、バスケットと風にめくれる本ということでこちらも巡りゆく季節や爽やかな空気感に彩を添えるような素敵なイラストになっています!

作編曲の方でも、暖かさとか疾走感、サビでも光が開けるような表現を意識しましたので、そのあたりもお楽しみいただけてたら嬉しいです!

おわりに

前回と違って入稿後のタスクはそこそこ片付けてたはずなのに。。。何かいい時間になってますね。。。改めて、制作を色々な方にお手伝い頂いていること、そしてこの作品を手に取っていただいた皆様に聴いていただけることに感謝しつつ、次回はもっと優良進行を心がけようと自戒しつつ、このあたりで筆をおこうかと思います。