Unpaged Magical Night: Liner notes

Butterfly Corsage

このアルバムについて

nil-Glassでの3rdミニアルバムになります。三作目ですってよ。改めて説明するとnil-Glassは空華オキさんがボーカルとバイオリン、自分が作曲その他もろもろを担当してるロック、ポップユニット(ゆるふわ概念)になります。ちなみにSounds Cocktailは自分がイベントに出展するときのサークル的な位置づけです。ややこしいですねー

さて、今作のアルバムテーマは「魔法」になります。多種多様な魔法はどんな願いを紡ぐんでしょうか?自分は締切に余裕をもって色々提出を済ませられる魔法を唱えたいです。 略称は「Magical Night」を縮めると「まじない」になるよね...魔法っぽいよね...と思いきや1st:バタコさん→2nd:ジャムおじさん→のシリーズは続くわけでして...???

空華オキさんの「Unpaged Magical Night」紹介ページ
https://karahanaoki.com/upmn/
オキさんライナーノーツ:https://karahanaoki.com/upmn_ln/
久遠真雪さんによる2022年秋M3参加情報(「Unpaged Magical Night」をご紹介いただいています )
https://mayuki-k.fanbox.cc/posts/4382350

それでは以下ライナーノーツをお楽しみください!!

1. Cinderella step

今作一曲目の「Cinderella Step」はジャズっぽいようなワルツを意識したお洒落目な曲になります。この曲は冬休みアレンジ祭のアレンジ側で「elopement」という曲にアレンジしてオキさんに歌ってもらったことが発端となります。(頂いたtomhatさんの原曲が「駆け上がる」というタイトルでしたので「駆け落ち」にしました。)

これで「普通にシャッフルワルツカッコ良くない??オキさんの歌い方もばっちりでは??」となったので味を占めて作曲する運びになりました。(この曲のnil-Glass内での呼称は「駆け落ち2nd」)作曲面では普段使わないブラス系の音源を使って見たり、ピアノでちょっとこじゃれた感じを出してみたり...ジャジーなソロを考えるのも楽しかったですね!

さてこの曲、作詞も担当しましたがやっぱり空気感出すには英語では?という理由でほぼほぼ英詞です。nil-Glassでは先の駆け落ち除けばほとんど英詞やってないんですよね。(前作のCarnerianの間奏がもしかしたらいちばん英語英語していたかもしれない...)あと全部英語はなーみたいなことをオキさんが行っていたので日本語三行入れました(力尽きたともいう)
というわけでない英語力をふり絞って何となくロマンスに魔法をかけたみたいな感じの歌詞を作詞しました(英語歌詞にすると手元のツールでは仮歌が打ち込めないので、仮歌は自分で歌いました)しかし歌詞中の人、しょっぱなで心を奪う魔法なんて頼らないとか言っときながら結構魔法に頼ってるよなーーとか我ながら思ったり。むつかしいことは忘れてごろごろしよ...

そんなこんなですが、流石というか見込んだ通りというべきかオキさんには艶やかに歌っていただいたので、お洒落な空気感を味わって頂ければと思いますー!!

2. Forbidden Domain

この「Forbidden Domain」はアルバムの中では最後に形ができた曲です。それまでは何もない状態だったので「無」と呼ばれていました。タイトル候補は他に歌詞の内容から「Forbidden Area」もあったのですが、Forbidden Domain、略すとFD...フロッピーでは💾??ということで「Forbidden Domain」にタイトルが決まりました。(なんてひどい決め方...)ということで今の呼称はフロッピーです。(一応フロッピーは使ったことあります)

この曲は作詞担当しました。歌詞のストーリー的にはロボットかアンドロイドが機械の身で魔法を唱えようとしてどうにかこうにか試行錯誤した結果禁忌に触れちゃって...といった。まあ魔法世界にLEDとかpingとかメモリがあるのかとかそんな科学発展の仕方があるのかとか色々考えるとむつかしいんですけどね(むつかしいことは忘れてごろごろしよ...)SFライターさんとかこういう考証するの大変そうです。
テーマ的には結構専門用語を並べてちょっと独特味をだせるようにしました(本業でよく使うワードを入れてみたかったけれど、結局なんかまだるっこしい感じになっちゃって使えなくて諦めました。いつかリベンジできるかな)個人的お気に入りフレーズはオキさんの歌も含めて2番Bメロのラストのフレーズですね。あとはラストで歌い方が変わるところとか...

作編曲については多分いちばんやりたい放題をした気がします。ミドルテンポ四つ打ちでライブとかで弾いてて気持ちよく弾けそうとか、間奏でスラップ弾いちゃおうとか、、、。ギターに関してはラフ版ではささやかだったのが実際レコーディングすると厚みが全然変わって知らない子になっちゃったりとか...

ちなみに、モチーフというほどでもないですが、このアンドロイドさん、たまに街中で見かける白いあのロボットを脳裏にちらつかせていたりします。最後電子の渦になっちゃう歌詞を書いてた時は脳内で「〇ッパー!!!!」と叫んでました

3. 風紡ぎの詞

「風紡ぎの詞」は前回のM3後に「一曲はアレンジ祭如何でしょう?」みたいな感じで譜面を頂いて、(こうしてこの曲の呼称はアレ祭さんになりました)その譜面のフレーズ(サビの部分)から始まることになりました。とりあえず三拍子で力強い印象のあるフレーズでしたので、「まあ民族調にしてみようかな、民族調わからないけど!」みたいなノリでとりあえずアコギ入れて...(この軽いノリが後で自分の首を大変に締めるのであった...)民族調でよく使われてそうな楽器を入れて、コーラスもたくさん突っ込んで...(この軽いノリが後で自分の首を大変に締めるのであった...(再掲))、折角だからオキさんに弾いていただくためにバイオリンも入れて...みたいな感じで作編曲を進めていきました。(後で別で調べていたところ、旋法とか使いこなせば民族調っぽくなるらしいので民族調リベンジ?するときは試してみようかなと)

さて、間奏以外ほぼ全編にわたってアコギのギターアルペジオを入れていたんですが、打ち込み譜面通りには全然弾けませんでした。で、もうちょっと引きやすい様に音を間引いてようやく指が攣らずにひけるかなーという感じだったんですが、三回弾き直しました。一回目はアコギで引くのきついかなと思って、エレキでひいて、微妙な感じで、二回目はアコギで弾いて、でもなんか弾きながら息してる人がいるし「切腹してから弾くべきでは????」等と思いながら、三回目のレコーディングを終わらせた感じです。(間奏のアコギソロは情緒出せたと思います)

そして、コーラスも折角だからたくさん乗せちゃおうと思ってたくさん入れたら当たり前のようにミックスは難航しました...(むつかしいことは忘れてごろごろしよ...)多重コーラスさわってる方々一体どうやってミックスしてるんだろう?耳が四つくらいあったりするのかな...

さて、オキさん作曲で来たんだからどうせなら、ということで作詞もオキさんが担当しました(作詞も相当難航してたみたいですが) 結果また世界が滅びそうになっていましたが、やっぱり個人的にいちばんの推しポイントは呪文の部分ですね(呪文の部分は実は...)歌詞全体もすごく情景が練りこまれているのでストーリーも追いやすいと思います!

作詞にレコーディングにミックスに間違いなく今回の再難航枠(前回はThe Lunar Night)でしたが、オキさんにコーラスもたくさん入れて、バイオリンも情緒たっぷりに弾いていただいているので情景を思い浮かべながら楽しんでいただけるといいかと思います!

4. 夢みるエトランジェ

「夢みるエトランジェ」はYouTubeでも先行公開しましたが、このアルバムの中では一番初めに完成した曲になります。ほぼほぼ曲先での制作をしている中で、「詞先で曲を作りたいなー」みたいな感じで真雪さんに作詞を打診したところ12時間位で上がってきました(12日じゃないです12時間です)
さて、超速で上がってきた歌詞を見た時の自分の第一印象

「なかなかなキラーパスがきたな...笑」

前作「Judgment moon & Gimcrack sun」で世界を滅ぼしてるんですよ、この人たち...急にこんなゆるふわソングやったら温度差で壊れちゃうんじゃないですか...??
と、まあそんなこんなでアレンジしたんですが、歌詞が先に決まってるとアレンジの雰囲気もやっぱり作りやすいなーとは感じました。「ごろごろしよ」でスローテンポにするところとか、Bメロのちょうゆるふわ感とか、あとは呪文の部分はなるべく立てられるようにとか... 方向性の候補としてはおやすみ感にあわせてもっとスローテンポにする案もあったのですが、最終的には今のちょっと軽快な感じのポップに仕上がりました。しかし、頂いた歌詞、我々の欲望を忠実に反映していますね(ごろごろしたい...ぬくぬくしたい...)

なお、ソロはいつもの「このフレーズ書いたの誰???」状態でオキさんに渡す音源のタグデータに「100日後にねこさんのソロが弾けるいしかわさん」とかいれて遊んでたりしました。難しかったですね。むつかしいことは忘れてごろごろしよ...

さて、最初と最後に入っているネコの鳴き声、YouTubeにあげた動画版のクレジットに入れたとおり実はオキさんが鳴いています。もともとねこっぽいなにかの曲ということでしたが、実はねこ要素無いのでは???ということになり、ねこの鳴き声でも入れますかとなりました。最初そんなオキさんが実はねこだったなんて露とも思っておらず、適当な素材を探すつもりでいたんですが、「何かが鳴いたらしいのでフォルダに入れておきました」とのこと。「え?????これ?????音源????いやオキさん鳴いたの?????」みたいなテンションで最初と最後に鳴き声を入れる運びとなりました(笑)(ちなみに元音源はおよそ二分にわたってオキさんが鳴いてます)

さて、この曲、前述のように動画にしましたが、表紙で何となく描いたねこさんがなぜかアクリルキーホルダーになりました。(紛れもなくねこだよ)なんででしょうね。おかしいなあ。。。

5. 月明かりの魔法

「月明かりの魔法」はnil-Glassとしては初のボーカルコラボ曲になります。オキさんが「ご自愛コンピレーション」や「夢咲く世界、永遠の夜明け」で何度かコラボしていたミドリノハサミさんをゲストにお迎えしてコラボしようという流れになりました。まず方向性としてどうしようかーとというところからですが、カッコいい曲を歌ってほしいなという欲望からアップテンポなピアノロックで、重ためのギターベースドラムにメロディアスなフレーズを載せていくという自分の好みド直球に組み立てた感じです。この人、自分の欲望に忠実ですね。

作詞はエトランジェに続いて真雪さんにお願いしましたが、頂いた歌詞もまた神秘的で、なんかこう、夜の景色に雫が落ちるような?そんな印象をうけました。Aメロの「咲いて咲かせて...」とか「散って散らせて...」とか...ホント幻想的なんですよね。。。クロスフェードでは夜空があふれるみたいな演出をしてみましたが個人的にはあんなイメージです(笑)(クロスフェードの演出作るのはむつかしかったですね、、、むつかしいことは忘れてごろごろしよ...)

アレンジは色々と化学反応が起きた気がします。真雪さんの歌詞を受けて楽器隊に引っ込んでもらったり、ミドリさんの表現に合わせて楽器隊に引っ込んでもらったり...楽器隊に引っ込んでもらってばっかりですね?ラストの方で譜面上オキさんパートにタイをつけ忘れていた部分があって(焼きあざらしの刑案件)、どうせだったら歌詞に合わせてフレーズ変えちゃおうとかやってました。あとはオキさんに「Cメロの掛け合い感がほしい」とのことでパンを弄ってみたりといろいろインスピレーションを頂けた気がします。

あとアレンジ面ではバイオリンフレーズは上手く描けたと思います。オキさんも、ノリよく弾けたとのことでボーカルとピアノと合わさって艶やかに素敵なハーモニーを奏でていただいてます! ミドリさんとオキさんの掛け合いとかユニゾンとかめちゃくちゃよくて、ボーカルの音源頂いて最初に二つ合わせてミックスしたとき「これ、最高では??」ってなってました。

ちなみに、この曲、最初にラフ版を共有したときにミドリさんから「カツカレーラーメン海鮮丼定食みたいな美味しさ」というご感想をいただき愛称は「カツカレー」になりました(笑)

6. 巡る光のエピローグ

「巡る光のエピローグ」ですが、この曲はアルバムを締めくくるバラードにする予定で最初からかいていきました。呼称もあんまりひねりもなく「バラードさん」でしたね。何てシンプル
他の曲は全体的にピアノを使っていたのもあって、この曲はバンド編成メインにカルテット隊を混ぜるような構成を意図しています。ギターはまあ風紡ぎの詞でちょっと懲りたのでちゃんと弾けるフレーズを計画的に考えてました。とは言いつつもアルペジオとかかなりよく弾けたと思うので思い通りの世界観が出せた気がします。

作詞ですが、特に月明かりの魔法の後日談的な話です(なんとなく「間違いを許された世界」あたりに風紡ぎの詞の雰囲気も漂わせつつも)。こう、テーマを決めればまあ作詞しやすいかなと思ったんですが、月明かり、ストーリー的には魔法を唱えた二人が忘れられるような感じなんですよね。そうなると忘れられた人を描くのって、第三者視点ならともかく残された人の立場から見たらどうすればいいの?となりまして...(むつかしいことは忘れてごろごろしよ...)結局そういう伝承があって、記憶はないけどそんな魔法を唱えた人がいるのが感じられる気がして...といった感じのストーリーに前半はして、後半は第三者視点にしました。

この曲はオキさんにも柔らかく歌っていただいていて、花びらが散らばっていく印象がアルバムの締めくくりにふさわしい感じになっていると思います。ぜひCメロ、間奏、ラスサビへの盛り上がりなど堪能していただけたら嬉しいです!!

今回はM3の直前にヘビー級の論文締切が差し込まれたため、当日の準備の手がほとんど回ってなかったのですが、(シュラバはどうしてまとまってくるのでしょうねー)オキさんに色々肩代わりしていただいたのでとても助かりました。そうでなければこのライナーノーツ、「むつかしいことは忘れてごろごろしよ...」しか書かれていなかったことでしょう...(こんな使い方してると怒られそうですが好きなフレーズです、すごくごろごろしたい...(笑))